たかしま皮フ科 -皮膚科・アレルギー科 皮膚に関することは何でもご相談ください-
皮フ科Q&A

皮膚に関する疾病について。

アトピー性皮膚炎
 アトピー性皮膚炎は強いかゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったり繰り返しながら経過していく病気です。以前は食物やダニアレルギーが原因として強調されていましたが、現在では皮膚のバリヤ機能の障害が重要視されており、食物制限など過度のアレルギー対策はあまり行われなくなっています。食べ物でアナフィラキシーショックを起こすこととアトピー性皮膚炎は同じ病態ではありませんので、神経質になる必要はありません。
 赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の場合は、食物アレルギーでかきむしることも多いのですが、多くの場合成長すると自然に治っていきます。卵アレルギーの赤ちゃんでも2-3歳ぐらいになると食べても大丈夫な場合が多いです。きちんとスキンケアしているとアトピー性皮膚炎になりにくいというデータもあります。
 アトピー性皮膚炎のかたの皮膚は乾燥しやすく、かゆみの神経が表面にむき出しになりやすくなっています。掻いたりこすれたりといった物理刺激や温度刺激によってかゆみを生じやすくなっているので、適切なスキンケアが大切です。
 ステロイドの塗り薬は、塗り方が大切です。中途半端な塗り方ですと、きちんと炎症をを抑えることが出来ません。アトピー性皮膚炎は、よく火事にたとえられます。きちんと消火出来ていない状態で消火活動をやめてしまうと、火の勢いがもどって悪化してしまいます。少しましになるとどうしても面倒になってしまいますが、(塗り薬を塗ることが面倒くさい:これが一番の悪化因子かもしれません)きちんと消火出来るまでがんばりましょう。
帯状疱疹
 水ぼうそうになると水ぶくれ(水疱)から皮膚の神経を伝って、ウイルスが神経節という部分に住み着いてしまいます。血液中のウイルスは水ぼうそうが治ると消えてしまいますが、神経節の中のウイルスはずっと残っていて、加齢やストレス、疲れ、体調不良など免疫が下がる状態になると再度増殖してきます。ウイルスが復活してピリピリあるいはズキズキした痛みと小さな水ぶくれがまじった赤みを生じるのが帯状疱疹です。症状は一つの神経節の受け持ち範囲の皮膚に生じるので、体の左右どちらかに帯状に出るのが特徴です。
 皮膚の痛い部分に湿布薬を貼った後に発疹が出るので、湿布かぶれと間違える方も少なくありません。
 皮膚に発疹が出ていなくても、皮膚を軽く触れただけでちくちくした痛みを感じることも、最初に出る症状として特徴的です。
 個人差がありますが神経痛が最もつらい症状です。60歳までのかたでは一時的に痛みが強くてもすぐに改善しますが、高齢者になると十年以上も痛みが残ることがあります。できるだけ早く治療することが大切です。
 痛みが改善してくるとかゆみがしばらく残ることもあります。
 治療は抗ウイルス薬で行います。重症の場合には入院して1日3回点滴治療を行いますが、通常は内服薬で治療出来ます。そのほかに痛み止めや抗うつ薬、場合によっては神経ブロックなどを併用して治療していきます。
 症状に気づけば早く医療機関を受診して、治療するようにしましょう。
単純ヘルペス(口唇ヘルペス)
 単純ヘルペスウイルスによって生じる疾患で、最もありふれたものは口唇に小さな水疱が集まってかさぶたになっていく口唇ヘルペス、いわゆる熱の花です。ウイルス自体は全身の皮膚知覚神経のどこにでも住みつけるのですが、最もよく出る場所は顔、特にくちびるになります。高齢になると臀部や太ももにできる人も少なくありません。実は単純ヘルペスは初めて症状が出る場合でも再発がほとんどで、元々神経節にいたウイルスが発熱・ストレス・摩擦・紫外線・寒冷刺激・疲労などの原因で発症してきます。
 再発の頻度は人によってまちまちですが、多い人では1ヶ月に2回出来ることもあります。神経節に潜んでいるウイルスの量が多い人ほど頻繁に再発すると考えられています。
 治療は抗ウイルス薬の飲み薬と塗り薬があります。発症してから早く治療することが大切です。飲み薬は医師に処方してもらうお薬しかありませんが、発疹が出る前にピリピリ感のみの状態で内服すると、発疹が出ずにすみますので、頻繁にヘルペスになる場合にはおすすめです。塗り薬は、現在市販薬もあります。効果では内服薬、手軽さでは塗り薬といった位置づけでしょうか。ただし、発症から時間がたつと抗ウイルス薬の価値はがくんと下がってしまいます。
 発疹が出てしまったら触らないことが大切です。かさぶたをむしるとキズになって治るまでに更に時間がかかります。入浴後かさぶたがふやけたときが危ないので気をつけましょう。

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